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2009年01月06日 09時00分

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【書評59】力愛不二/介護アドバイザー青山幸広

力愛不二(りきあいふに)―介護に必要なもの、それは愛と力
力愛不二(りきあいふに)―介護に必要なもの、それは愛と力青山 幸広

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介護アドバイザーの青山幸広さんが書かれた本。この本は今までの介護の本とはまったく違った。全267ページあるこの本のはじめのほうはひたすら、青山さんの生きてきた道のりが記されている。

「あれ?これ介護の本だよね?」
というのがはじめの感想。いじめられて空手を習うようになって、教師になって、保母さんになって、運転手になって・・・。そんな人生が語られている。しかし、読むと、全ての点と点がつながっているような気がするから不思議だ。

青山さんの本は全てが実体験が元に書かれている。時々、はっとするほど面白いことが描写されている。たとえば、青山さんがタクシー運転手だったとき、自分が介護施設で働いていたことを話すと、男の顔が変わったという。

そして、こういった。「親の様子がおかしい。」
家に帰るといつもとは違う親がいる。それが怖くて仕方なかったというのだ。青山さんは実際にタクシーから降りて、付き添うことにした。

そうすると、壁に便が塗りたくられている光景。男は絶望し、絶叫する。しかし、青山さんはよく見ていた光景。冷静に洗ったというエピソード。彼はそのときはじめて、在宅介護をする人の孤独や不安に気づいたという。そんな体験から、少しずつ介護の世界に目覚めていく。

彼の本の中で面白いのが「パンツから施設を変える」という発想だ。寝たきりを作らないために、出来る限りオムツは使わず、パンツにする。女性の場合はかわいいパンツを一緒に買いに行く。そして、トイレを使えるようになるように努力をするのだ。彼の逆転の発想が面白い。

たとえば、ナースコールを23回鳴らす人がいた。普通に考えると、「大変」というイメージかもしれないが、彼はそう捉えない。彼は「何度も鳴らすナースコールは信頼の証」と捉えなおす。

介護施設には「機械浴」というものがある。機械浴なんて格好良いと思う人もいるかもしれないが、機械浴というのは自動的にお風呂に入れるように開発されているため、洗えるかもしれないが、お風呂の喜びは感じづらい。もちろん転倒の危険性も少ないが、家庭浴槽に入るときはそれだけでリハビリになりやすいというメリットもある。スタッフがしっかりと横にいて安全管理できるなら、家庭浴槽のほうが良い。青山さんはしっかりそれにチャレンジしている。

この本を読むと、介護に関する新しい視点が見つかる。お勧めだ。



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