介護のドラマが始まっている。草彅剛主演の「任侠ヘルパー」というドラマだ。設定はヤクザがひょんなことから、介護を始めるというもの。彼らは元々、振り込め詐欺で生計をたてていたのだが、大幹部である鷹山源助(松平健)の命令で、敵対する鷲津組のシマのど真ん中にある介護施設「タイヨウ」で、次期幹部の座を賭け、自らの素性を隠して“研修”という名のもと、ヘルパーとして働くことになる。
よくありがちな感動ドラマっぽく仕上がっているのかな、と微妙に警戒心を持ってみていた作品だったが、意外としっかりした作りで驚いた。
・排泄トラブルの際にオムツを履きたがらない高齢者に対して、どう考えればいいのか。
・厚生省の介護保険内での経営をしようとすると、「ボランティア精神か、効率化よる愛情のない介護」を求められるという実態。
・介護をされる側への「プライド」をどこまで考えるか。
・愛情を持って介護をしても、結局は忘れられてしまうこともある認知症の怖さ
こんな介護業界の持つ深い闇の部分にまで、手を広げ問題提起をしている。しかし、その問題提起が、物語の面白さが功を奏し、教科書っぽくない。上のようなことは考えなくても面白く見れてしまう。
何よりも奇抜なのは、ヤクザが介護を始めるという設定だ。最初は高齢者を騙したり、暴言をはいたりしているのだが、物語中盤以降は不思議なことに彼らのほうが真っ直ぐ高齢者と向き合っているような気さえしてくる。介護施設の経営者のほうは綺麗な言葉を使うものの、向き合っていないようにすら、感じてくる。このギャップが面白い。
介護では個別ケアが求められている。それぞれにはそれぞれの生き方がある、というわけだ。それを本当に実現するために、何が求められているのか。あなたが在宅介護をしているにしても、施設に預けることを迷っているにしても、そのヒントはこのドラマにも隠れていそうだ。


