【書評83】夢見る老人介護 最期まで意欲的に生きたいあなたのために - 介護施設・介護情報なら介護の安心ガイド

【書評83】夢見る老人介護 最期まで意欲的に生きたいあなたのために

2008年12月27日19時52分

ソーシャルブックマーク

印刷 

夢見る老人介護 -最期まで意欲的に生きたいあなたのために-
夢見る老人介護 -最期まで意欲的に生きたいあなたのために-小山 敬子

くもん出版 2008-10-01
売り上げランキング : 57337


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
1970年の老人の医療費無料化を境に日本人の医療に対する感覚は変わったのではないか、と著者は鋭く分析している。この分析がすごく面白い。
「だってタダなんですよ!タダ」という言葉に代表されるように、あまり重くなくてもとりあえず病院へ、という傾向が高まったし、介護においても消費者の中に権利者意識が台頭してきた。うちで払っているんだから、介護をしっかりやれ、と求める家族が増えたというのだ。
しかし、よく考えてみると、実際に払っているのは家族ではない。家族は1割負担。介護保険などの税金が9割だ。措置から契約へとは言え、実際に支払っているのは1割なのに、契約者としての権利だけは膨れ上がってしまっているのは確かに奇妙だ。
そんな中で、老健が本来の機能を失っていく。実際は家庭に戻すことが減り、病院のようにベッドの上で生活し続けるだけ――。
この本が面白いのは分析だけにおわらないところでもある。著者は自ら「おとなの学校」を立ち上げている。学習療法を機軸にした新しい施設だ。
通知書と成果発表会の中で、ケアプランをいかに実践したか、ということを表彰したりする。そして、最後は卒業として送り出す。
これは面白い。新しい介護社会の理想像の1つになるかもしれない。

PRエリア