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【書評89】進化するアートコミュニケーション-ヘルスケアの現場に介入するアーティストたち-

2008年12月27日21時00分

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進化するアートコミュニケーション―ヘルスケアの現場に介入するアーティストたち
進化するアートコミュニケーション―ヘルスケアの現場に介入するアーティストたち林 容子

レイライン 2006-11
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福祉とか介護の中でのアートというと、爽やかな色使いや、毒のない明るいイメージを連想させる。しかし、「聖アントニウスの火」と呼ばれる、ライ麦から発生する麦角中毒の施設に飾られた絵は明らかに異質なものだった。ここにはイーゼンハイムの祭壇画という作品が飾られていた。
そこで描かれているキリストの表情は明らかな異質だ。
キリストhttp://www.shoin-jhs.ac.jp/tosyo/ariyoshi.10.htmより)
このキリストの表情は最期を遂げた苦しみや、絶望がアリアリと感じ取れる。露骨なほど、最期をまっすぐ捉えて作品化しているのがよく分かる。この絵が終末期医療の現場に置かれていたというのは俄かには信じられないほどのインパクトだ。
しかし、終末期医療の現場はどこまでもリアルであり、こういう絵から逆説的に最期を遂げる意味を感じ取ったのだろう、と著者は説明している。
この作品で一気に考え方が変わった。見事なほどのパラダイムシフトだ。こんな体験をさせてくれるような、本は滅多にない。一度、手にとってみてはいかが?

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