【書評93】ふれあいケア 2006年6月 実践!個別ケア - 介護施設・介護情報なら介護の安心ガイド

【書評93】ふれあいケア 2006年6月 実践!個別ケア

2008年12月30日14時21分

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自立支援と残存能力の活用というテーマがある。出来る限り、残っているパワーを活用して動いてもらうことで、元気になってもらうという考え方だ。そのために、あえて手を貸さないことも介護として重要だという考え方なのだが、実践が難しい局面は多い。
たとえば、実際には残存能力を活用してもらおうとしても、その分の力を出すことも拒否される場面があるのだ。
「10の能力のうち障害によって4を失ってしまったとします。自立支援のために過不足のないサービスを提供するとなると失われた4に対するケアだけをやればいいと思いがち。でもそもそも生きる意欲を喪失してたら4もできないのは当然。」
この本の中のインタビューにこんな言葉が載っていた。まずは生きる意欲を引き出し高める援助が大事だというのだ。そのとおりである。
個別ケア、という原理原則はまずは生きがい創出なのだ。その上で議論は各論にまわる。食べる姿勢にこだわるので車いすは必ず個別に、テーブルは通常より低めにすることで正しい姿勢を維持してもらう。
食事提供時間に2時間の幅を持たせるという。朝8時からのひともいれば9時からのひともいる状況でいいというのだ。朝食は特に完全に覚醒してからじゃないと危険だし味も感じてもらえない。この視点は納得してしまった。
集団で食べてもらうことをよしとする風潮の中で、この場面でも個別ケアというのはすごいオペレーションコストがかかる。しかし、こっちが個別ケアとしては正しい方向なんだな、と妙に実感させられた本であった。

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