有料老人ホーム火災 二人死傷、問われる運営者の防火管理体制 - 介護施設・介護情報なら介護の安心ガイド
  • Home > 介護ニュース > 有料老人ホーム火災 二人死傷、問われる運営者の防火管理体制

有料老人ホーム火災 二人死傷、問われる運営者の防火管理体制

2009年03月06日01時07分

ソーシャルブックマーク

印刷 

(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年2月15日号)
2月2日、白十商事(東京都足立区)が運営する住宅型有料老人ホーム「第5シルバータウン」で火災が発生。入居者1名が死亡、1名が負傷した。火元は、本来ならば「火気厳禁」が一般的な居室とみられており、運営者側の火気管理体制・建物の防火・消火体制に不備がなかったか、などの点が問われそうだ。
 竹の塚警察署によれば、火元は5階の居室と見られ、亡くなったのはこの居室の入居者。
 火災の原因についても、現在警察が調査中だが、今回の一件では「館内での火気の扱いが適切だったか」「消火・防火対策が充分だったか」という点が問われそうだ。
 ある有料老人ホーム紹介センターは「白十商事から『入居者を付けて欲しい』という依頼が何回かありました。しかし『施設を見学したい』と申し出ると、先方の態度が変わり、いつも紹介の話そのものがあやふやになって終わりました。また、白十商事のホームを見学に行った人から『居室は見学させてくれたが、それ以外の部分の見学は拒否された』と相談を受けたこともありました。火災に対する備えであるかどうかはわかりませんが、見られて都合の悪い欠陥や不備があったと考えられます」と語る。
 白十商事に電話で今回の火災についてを問い合わせたところ「火災の原因については、警察からはまだ何も言ってきていない」とだけ答え一方的に電話を切られた。白十商事側に過失があるかは別にして、自社運営施設で死者を出しておきながら一言も反省・悔やみの言葉がない企業体質には疑問を感じる。
 今回の件でクローズアップされたのは、有料老人ホームの火災対策は充分なのか、という点だ。
 有料老人ホームの開設に際しては、自治体への届け出が必要となるが、届け出項目に火災対策の項目はない。
 「ただし『火災対策については消防部局と協議をして下さい』と言われます。消防部局の対応は自治体により異なりますが、基本的には高齢者が生活・利用する場として適した水準の火災対策を求めてきますから、ホームの届け出がなされているならば、ある程度の水準の火災対策はなされている、と考えていいでしょう」
 と語るのは、タムラプランニングアンドオペレーティング(東京都千代田区)の田村明孝社長。
 有料老人ホームの場合、開業すると、あとは火災対策についてチェックが入ることはほとんどない。つまり、消火設備・防火設備が故障などで使用できないような状況であったとしても、それが放置されているケースも考えられる。また、消防から「入居者の避難訓練の実施」「入居者・職員による自警消防組織の設置・運営」などを求められても「人手不足」「入居者への負担が大きい」などを理由に行っていないところも少なくない。
 このため、現実的には有料老人ホームの火災対策の質には大きな差があるという。
 また、火災防止の観点から、多くのホームが喫煙室など限られた場所以外では禁煙となっているが「入居者をあまり規則で縛らない、という施設では居室内での喫煙を認めるところもあります」(田村社長)といい、火気管理についても施設ごとの差は大きい。
 しかし、今回の一件で、有料老人ホームに対して、より質の高い火災対策を求める声が自治体・消防はもとより、入居者側からもあがることが考えられる。今後、運営者側は火災対策の強化が求められるだろう。

PRエリア