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介護事業者の救世主となるか? 報酬立替え・買い取りサービス

2009年05月12日14時45分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年5月5日号)

消費者金融大手プロミス(東京都千代田区)が介護・医療報酬のファクタリング(買取り)事業に参入した。介護報酬のファクタリング・立て替えサービスが銀行も手がけるなど大きなビジネスに成長しつつある。参入事業者の狙いや将来像について見てみよう。

確実に回収可能低リスクの事業

事業者により、業務のスキームは異なるが、今年1月に介護報酬の立て替えサービスをスタートさせたプレステージ・インターナショナル(東京都千代田区)を例にすれば、このサービスを普及させていくには利用者である介護事業者とのパイプ作りが必要となるため、同社では有料老人ホームの入居者紹介や人事コンサルティング事業で実績のあるあいけあ(東京都渋谷区)と提携を行ってもらっている。
また、4月から報酬のファクタリングサービスを始めたプロミスも「現時点では介護事業者・医療機関とのパイプがありません。将来的には当社で直接営業を行うこともあるかもしれませんが、当面は介護事業者・医療関係とのパイプのある事業者、例えばコンサルティング会社や商材卸の事業者などに販売業務を委託していく考えです。既に何社かとは委託契約を締結しています」(マーケティング部岡島茂樹主幹)と語る。
 他のサービス事業者でも、介護事業者向けソフトの開発・販売会社など、業界に太いパイプを持っている会社に営業を委託しているケースが多いようだ。
 さて、介護報酬の立替え・ファクタリングサービスは、介護事業者の資金繰りをサポートするのが目的だ。これが目的のビジネスとしては融資が代表的だが、融資の場合は、融資金の回収が不可能となる可能性がある、というリスクが存在する。
 それに対し、立て替え・ファクタリングの場合は、介護事業者が実際に介護サービスを提供していれば、介護報酬は確実に立て替え・ファクタリング事業者に自治体から支払われる。「取りはぐれがない」「介護事業者の与信管理能力を必要としない」という点でよりも優れている。地方銀行や消費者金融など、融資業務を本業としている企業が、融資ではなくて立て替え・ファクタリングに参入してきているのには、こうした理由があると考えられている。
 一方、介護事業者側にとってみれば「担保が不要」「企業信用情報に傷が付かない」という面で融資を受けるよりも使いやすいサービスであるといえる。
 とは言うものの、実際には「どのような事業者に対してもサービスを提供できるわけではない」というのが立て替え・ファクタリングサービス事業者の本音だ。
 プレステージ・インターナショナルプレミア・ケア事業部の中村干城部長によれば「立て替えサービスに興味・関心を持つ介護事業者は目先の運転資金を必要とするケースが多く、既に金融機関から借り入れを起こしているケースがほとんどです。この場合、万が一事業所が倒産したら債権者が介護報酬の立て替え分を自らの債権の回収に充当しようと当社に接触をしようとしてくることが、考えられますから、当社としてもそれへの対策を講じる必要があるなど一定のリスクはあります」

不正請求しない前提で事業展開

このリスクについて細かく分析してみよう。
 例えば、有料老人ホームのように入居一時金が必要な施設が倒産し、入居者が退去せざるを得なくなった場合、事業者側は償却の終了していない入居一時金については入居者に返還しなくてはならない。しかし、倒産するほどの事業者であれば、入居者に返還すべき入居一時金が残ってない、と考えるのが自然だ。結果として、多くの入居者が「債権者」と言う立場となり、立て替え・ファクタリング事業者に対し「介護事業者に支払うべき立て替え報酬分は、私たちに『入居一時金の返還分』として支払うように」と要求してくることが考えられるのだ。
「こうしたリスクを考え、当社はファクタリング事業については、当面の間は、入居一時金が発生しない居宅・通所系の介護事業を対象にしていきたいと考えています」(プロミス)
 このように、立て替え・ファクタリング事業については、直接的な売り掛けの発生などのリスクが生じる心配はないものの、間接的な形で介護事業者・医療法人の信用力の影響を受ける可能性がある。
 また、りそな決済サービス(東京都中央区)が「このビジネスは介護事業者が正しく介護報酬を請求している。という前程のもとに成りたちます。介護サービスを提供していないのに、提供しているかのように偽って報酬請求をいた場合には、保険者から当社に介護報酬が支払われなくなりますので当社側にはリスクが生じます。まだ、こういった事態が発生したことはありませんが、事業者としては常に考えておく必要があるといえるでしょう」(保証営業部竹村克幸次長)と語るように、事業者の良識がなければ成り立たない、という性格を持っている。
 こういったリスクをどこまで負うことができるか、参入をする上でのポイントになるといえそうだ。


参考リンク:商社・リース・消費者金融などが展開
      :介護報酬立替サービス 業者選びのポイント 
      :エス・エイチ・イー 介護システムとファクタリング融合 訪問事業者向けに2009年7月より販売
      :エス・エイチ・イー 中京圏で介護コンサル 保険システム、ファクタリングサービスも

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