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渋川ホーム「静養ホームたまゆら」火災 都内の施設不足表面化 都外へ移住する生活保護高齢者

2009年05月14日20時49分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年5月5日号)

東京都など関東地方を中心に、約600人の生活保護受給者が、都外、県外へ越境し、行政の監視の網にかからない無届け老人ホームや共同住宅で生活していることが、厚生労働省の調べでわかった。自治体が生活保護費を越境して支給しているのは、当該自治体で施設が不足していることが背景にある。
群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で、そうした実態も表面化した。

東京は徳島の半分

今回火災で全焼したホームは、群馬県外の東京都からの高齢者が多かった
「『たまゆら』と同様に、『生活保護費を支給され、東京都外26道県の施設などに入居している23区の高齢者が、1547人いることが、共同通信の調査により判明した』という報道があった。
都内26市の調査資料と生活保護費を受給していない高齢者を加えていないことから、都内から移住させられた高齢者数はさらに多いことになる。」
その背景には何があるのか
「背景にあるのは、都内に施設の絶対数が少ないことがある。
例えば、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養医療施設(介護指定病床)などの介護保険3施設。2006年の厚生労働省による調査によれば、これらの都道府県別に見た65歳以上人口10万人対定員は、全国平均3114人。
最高の定員数は徳島県の4628人となっている。
しかしその一方で、東京都は徳島県の半分にも満たない2276人で、全国最低。
東京都内の介護保険3施設の定員数は、全国平均と比べても少ない状況にある。」

有老ホームに変化

都内には介護保険3施設が少ない一方、有料老人ホームは都内に多くある
「有料老人ホームは、都内に偏在している。東京23区では、例えば世田谷区には有料老人ホームが31施設あり、これは都内最多。半分以上の区では、5施設以下しかない。
市部においては、26市ある中で10施設以上が整備されているのは、八王子、三鷹、町田の3市だけになる。
今後の整備に関しては、これまで毎年順調に増え続けてきた有料老人ホームに”地殻変動が起きている”と指摘する人もいる。
総定員数が2007年に初めて、前年比4%減少したからだ。
有料老人ホームにおいて、『介護付き』が急減し、代わって『住宅型』が急増している。」
グループホームはどうか
「グループホームは2008年3月末時点では、全国9486施設ある。
それに対する東京には、わずか268施設しかない。東京の人口は全国総人口の約1割あり、本来なら950施設近くあってしかるべきなのにだ。
都心部派施設数が少ないことは言うまでもないが、例えば人口20万人いる渋谷区では、たった1ヶ所しかないのが実情だ。
要するに、都内の介護施設数は、地方と比較すると明らかに不足している。」

これでは「虐待」

今回の火災から学べることは「『静養ホームたまゆら』の惨事では、東京から移住した多くの高齢の生活保護受給者が犠牲となった。しかし何らかの理由により生活保護費を受給できない高齢の低所得者は、介護が必要になったからといって、区の職員に生活が継続できる住まいを確保してもらうわけにはいかない。
よって、認知症で一人暮らし、不衛生な環境の中にいる高齢者は少なくない。これは、客観的に見れば、虐待のひとつ『ネグレクト』と言えるのではないか。
地域の状況を把握しやすい市町村、また地域密着型の施設の指定・指導・監督権限を持つ市町村。
この市町村が対策を練ることは急務だ。
現在地方と比べグループホームが少ない東京都では、さらに整備が遅れることは危惧されている。
正直、このままでは都内の施設不足の根本的な解消への道のりは、険しいと言わざるを得ない。

参考リンク:「無届け以外住めず」厳しい現実
東京都 「無届けホーム規制」を緊急提案 「立ち入り調査等を可能に」
渋川ホーム火災 繰り返す施設の火災事故 2009年4月から消防法が一部改定 GHはスプリンクラー設置義務化
:無届け有料老人ホーム「静養ホームたまゆら」火災で理事長逮捕の教訓

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