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「病気」のキーワード4:先端巨大病

2009年05月18日12時45分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年5月5日号)

「成長ホルモン」が過剰分泌 手足・顔が肥大、高血圧も

身体の成長に左右する「成長ホルモン」。
脳の脳下垂体から分泌されているホルモンだが、この脳下垂体に腫瘍ができることで、発育を促す「成長ホルモン」が過剰に分泌。
「先端巨大症」という、手足や内臓、顔が肥大してしまう病気になってします。


骨の伸長”や”筋肉の成長”に大きく関わる「成長ホルモン」。
この生理活性物質の働きをもう少し詳しく説明すると、骨端の軟骨細胞の分裂・増殖を促進させ、特定のアミノ酸の取り込みを促し、タンパク質合成を促進する。
 そんな「成長ホルモン」は、脳下垂体から分泌されている。そのため脳の直下にぶら下がって見える、脳下垂体の異常で過剰に分泌する場合がある。
 手足や内臓、顔が肥大してしまう難病「先端巨大病」は、脳下垂体に腫瘍ができ、成長ホルモンが過剰分泌されて起きる。
病名の通り、肥大化が起きるのは体の先端から。特にはっきりその症状が現れるのが顔になる。

進行ゆっくりで家族も気付かない

もっともはっきり”肥大化”がわかるのが顔だが、急激に大きくなるわけではない。
約10年という長い期間でゆっくり進行するため、患者本人や家族さえも、その変化に気付きにくいほどだ。
 その肥大化が目立つ患者の顔は、主に4つの特徴を見せる。
 唇に厚みが増すこと。鼻が横に広がり、大きくなること。額が突き出してくること。そして、下あごがせり出してくることだ。
 このほか手足が大きくなることで、これまで履いていた靴が履けない、指輪を指にはめにくくなる、といったことが起きる。

外見の問題より高血圧が大問題

 しかし、末端が大きくなる外見的症状よりも問題視されるのが高血圧。全身の血管の厚みが増し、血管が拡大。
血液の通り道が極端に狭くなることで、血圧が高くなるのだ。
 高血圧は、心臓に障害を起こす「虚血性心疾患」、脳血管障害の「脳卒中」、泌尿器系の腎機能が著しく低下する「腎不全」などの発症リスクとなる。
肥満や高脂血症、糖尿病との合併は「死の四重奏」とも呼ばれるほど、人体に大きな負担をかける。
 そのため「”先端巨大症”自体には生命の危険はない」とされるが、この病気を放置すると、死亡する確率が2倍以上に上昇。寿命が10年前後短くなるとも言われている。

発汗過多などが罹患のシグナル

先端巨大症は「末端肥大症」、「巨人症」とも呼ばれるが、この病気の発症頻度は100万人に4~6人。
 発病には男女に大きな差はなく、好発年齢は40~50歳台。
 先にも触れたように、病気はゆっくり時間をかけて進行するため、なかなか患者は自身が患者であることに気付きにくい面がある。
 そのため診断には「発汗過多」、「軽い顔貌の変化」、「先端部の肥大」などが注意されるが、たとえば顔貌変化の自覚は少ないため以前の写真と見比べる。
靴や指輪のサイズの変化や歯間解離、噛合障害、頭痛、いびき、鼻声、睡眠時無呼吸症候群などがそのサインともなるため、注意する。
 先端巨大症患者の死因には心血管障害が多いため、動脈硬化性血管病変や心疾患に関する検査は定期的に行なうことも必要だ。

(補足)社会的ないろいろ

四肢が異常に長くなるため、指を伸ばしたいピアニスト、バイオリニスト、足を伸ばしスタイルを良くしたいダンサー、バレリーナ、モデルなどが、成長ホルモンによるドーピングをすることにより発症することが多い。
但し他の部分の筋肉が収縮するため、身長が伸びなかったり、身体のほか部分の筋肉が衰えたり、骨がもろくなったりするので、これらの薬剤の使用者で社会復帰する人は非常に少ない。
 また、身長が非常に大きくなることが多いため、力士やプロレスラー、バスケットボールの道を歩んで成功した患者もいる(こちらはドーピングによる発症ではない。)
ジャイアント馬場、アンドレ・ザ・ジャイアント、出羽ヶ嶽文治郎、岡山恭崇らがその例であるとされる。
これらの著名な患者の存在により、発症頻度の割合には「巨人症」「先端巨大症」という病名は社会的に有名である。

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