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「病気」のキーワード5:中枢性摂食異常症

2009年05月26日13時05分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年5月15日号)

心理的なストレスが原因で、食べることに関して異常をきたす「中枢性摂食異常症」。
「拒食症」と「過食症」がある。「拒食症」では、無月経、低血圧、脈拍数の減少のほか、便秘や浮腫みなどの症状が見られる。
また「過食症」では激しい飲食後に、嘔吐や下剤、絶食といった代償行為を行うなどが見られる。
いずれも衰弱死や自殺、不整脈、感染症などで命を失うケースも少なくない。

「拒食」と「過食」身体にダメージ

精神疾患の一種、摂食障害。適度な食事の摂取が困難になる病気で、心理的なストレスなどが原因。
「薬物」や「アルコール」などへも依存症のひとつだ。
 摂食障害には「拒食症」と「過食症」があることはご存知だろう。
「拒食症」は一般的に、若年層によく見られるもので、患者は自身の体重が減少することに満足を覚えてしまう。
そのため極度に体重が減少。女性の場合は、月経が3ヶ月以上ない無月経となる。
 加えて睡眠障害や抑うつ症状、自傷行為などのほか、便秘や腹痛、骨粗鬆症など、身体に多くのダメージを与えることにつながる病気だ。

「痩身」に安心下剤使用など

 「AN」とも呼ばれる「拒食症」の場合、「痩せる」ことで安心をしてしまう心理が働いている。
そのため「食べる=いけないこと」という思考で、摂食に異常が出てしまう。
少しの分量の食事でも、食べてすぐに嘔吐をしたり、下剤をしようしたりしてまで、体内から”摂食したもの”を体外へと出そうとしてしまうのだ。常に食べたものを”放出”するため、もちろん空腹感は強く感じている。
飢餓の反動により、食べ物に対する執着心は強い、といった矛盾した行動を伴う。
 この病気で特徴的なのが、本人に病気の意識がないこと。そのため周囲のアドバイスを聞き入れない、という事態が起こる。
しかし「拒食」すること以外は健康な判断ができるので、「精神病」ではない。

激しい食事でストレス発散

一方の「過食症」。「神経性大食症」または「BN」とも呼ばれる。
 衝動的な飲食をした後、嘔吐したり、下剤や薬物、絶食をしたりするなどで、飲食した自分自身を痛めつける代償行為を行なう。
代償行為を行なわないケースもあり、この場合は「むちゃ食い障害」。
大うつ病やパニック障害、物質使用障害などとの合併率が高い。
 ストレス発散として過度に摂食する「過食症」で最も気を付けなければいけないのが、患者が自己嫌悪から自殺を図るケースもあり得るということ。
この最悪の事態に陥ってしまう割合は、拒食症のそれよりも高い。

行動療法など様々な治療法

「拒食症」、「過食症」、いずれも好発するのは思春期から青年期の女性。男性もいないことはないが、それでも5%以下にとどまる。
 この二つには共通点が多く、例えば真面目な人ほど、その患者となっていることなどが、それにあたる。
また心理的な面が大きく関係しているため、遺伝はしない。
 「中枢性摂食異常症」は、患者が抱えるストレスなどが要因。そのため治療は、ストレスに適切に対処する能力を養うことで、拒食や過食に陥らないようにすることが重要になる。
 精神療法のほか、「行動療法」や「認知行動療法」、「家族療法」、「対人関係療法」、「芸術療法」、「集団精神療法」といった療法などが、療法としてある。

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