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「活用しないと勿体ない」未経験者確保助成金など 国や自治体、制度次々設置

2009年06月09日13時15分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年6月5日号)

「介護基盤人材確保助成金」給付までの手続きの流れ

「介護基盤人材確保助成金」給付までの手続きの流れ



助成金制度受給のススメ

「介護基盤人材確保等助成金」をはじめ、次々に打ち出されている介護事業者向け助成金制度。
国や自治体が独自に設置する同制度は、給付対象や金額は各々異なる、いずれも”使えば得する”ものだ。
しかし多くの事業者から「どんな助成金があるのか」、「どういう流れで給付されるのか」といった声が聞こえてくる。
今回から数回に分け、「助成金」に関する最新情報と、申請から受給まで流れ、注意点などを紹介していく。

給付対象者でも知らねば未受給

「せっかく作られた助成金制度を活用しないと、もったいない」
 そう話すのは、”ケアマネ社労士”と知られる、さくら労務福祉総合事務所(千葉県市川市)の吉田耕一郎代表。
 「本来なら助成金を受けとれるのに、制度自体を知らずに受け取っていない事業所も少なくないはず」と予測する。
 実際、すでに介護事業者が申請・受給できる助成金制度は数多くあるものの、「自ら進んで調べないと、どんな助成金があるのかわからない」という事業者の声はあちらこちらで聞こえてくる。
 都内・大森を拠点に訪問介護を行うBeyondK(東京都品川区)の加納久美子社長も「行政は事業者が負担増となることは積極的に連絡するのに、助成金など負担減となる話は積極的に連絡をくれない」と不満を漏らす。
 神奈川や埼玉で有料老人ホームを展開する、らいふ(東京都品川区)の伊藤優一執行役員も、「結局は自分で見つけないと駄目。今は付き合いのある事業者や、よく足を運ぶ役所などから助成金関連の情報を得ているが、そうした交流の日々の動きがなければ、有意義な情報を知らないままで終わってしまうだろう」と話す。
 それゆえ事業者にとって重要になってくるのは、「助成金」というキーワードに関心を持ち、常にアンテナを張っておくことだ。
前出の吉田代表は、「もし人材関連での”助成金”で気になることがあれば、迷わずハローワークへ問い合わせを」と呼びかける。

能力開発機構や労働安定センター

「ハローワーク」または「職安」と呼ばれる公共職業安定所。厚生労働省が設置する行政機関で、人材のマッチング事業はもちろん、助成金・給付金の支給も主な事業だ。
「雇用調整を行わざるを得ない事業主向け助成金」や「人を雇用する事業主向け助成金」、「起業や新分野への事業展開を希望する事業主向け助成金」、「能力開発を行う事業主向け助成金」など、様々な助成金の申請窓口となっている。
 ハローワークではそれらの助成金支給対象や内容をまとめた冊子「雇用の安定のために 事業主の方への給付金のご案内」を配布。冊子には介護事業者向けの「介護基盤人材確保等助成金」、「介護未経験者確保等助成金」、「介護労働者設備等整備モデル奨励金」、「介護雇用管理制度等導入奨励金」といった『介護労働者の雇用管理改善』を対象にした助成金を、他産業の事業者も対象となる項目と一緒に掲載している。
 助成金各種の具体的詳細は後述するとして、冊子に掲載する助成金制度の数は計34。
気を付けたいのは、これら全ての給付申請窓口がハローワークまたは都道府県労働局ではないことだ。
独立法人・雇用・能力開発機構(都道府県センター)や独立法人・高齢・障害者雇用支援機構(都道府県雇用開発協会)、財団法人・介護労働安定センター(地方支部)、財団法人・21世紀職業財団(地方事務所)が、取扱い窓口の一部を担う。
 そのためハローワークで「そちらの詳細については、ここの部署でお尋ねください」と返答されることも、十分あり得る。
 また助成金は厚生労働省から委託されたものだけではなく、事業所を置く自治体も独自に制度を設置。
 助成内容が被る場合は二重受給することはできないが、内容が異なる場合、受給要件が違う場合には、それぞれの助成金を受けとることは可能だ。

フリーター採用で1人につき25万円

先に挙げた4つの介護事業者向け助成金のうち、注目度が高いのが「介護未経験者確保等助成金」(2008年12月1日以降の未経験者雇用が対象)。
 これは介護関連業務の未経験者を正規雇用(パートタイム労働除く)した場合で、1年以上継続して雇用することが確実であると認められた場合に受け取れる助成金制度。
雇用する未経験者1人につき、事業者は6ヶ月間の支給対象期ごとに25万円もらえる。
 助成対象期間は雇い入れた日から1年間。そのため未経験者1人につき計50万円受け取れる。
 また25歳以上40歳未満で、過去1年間に雇用保険被保険者ではなかった「介護参入特定労働者」の場合には、1人につき半年ごとに50万円が支給。年間計100万円まで受給できる。
 「介護未経験者確保等助成金」での要件は、「雇用者は介護関連業務の専従者として雇用すること」、「就業者が過去1年間に同一事業者の下で雇用されたことがないこと」、「資本関係的にも独立性がない事業主からの雇い入れでないこと」などがある。
 つまり、「退職して休職中の人」、「長年フリーターの人」、「主婦」などが対象となる人材で、例えば「登録ヘルパー」や「介護派遣労働者」の経験者は対象外。”新卒”も対象外になる。
 助成額についてはすでに紹介したが、支給申請するのは支給対象期間(半年)の満了ごと。
第1期で申請し損ねた事業者は、第2期に申請できるものの、第1期分については受給できない。

労働環境改善に最大100万円

介護労働安定センター(東京都文京区)が窓口となっているのが、「介護雇用管理制度等導入奨励金」。
スタッフのキャリアアップや処遇改善を目的に、各種人事管理制度の導入や見直しを実施。
かつ採用・募集、健康管理などの雇用管理改善事業を実施した場合が対象だ。事業者はその費用の一部、最大100万円受け取れる。
 具体的には、「人事管理制度の導入」に関してはワークシェアリング制度や能力評価制度、福利構成制度の導入など。
「雇用管理改善事業」に関しては、人材採用パンフレットの作成、適性検査の実施、法定の健康診断以外の健康診断などがある。
 同センター・総務部の山田修統括係長は、「予算は2億円あるが、これまで申請が殺到して給付できなくなった例はない」とし、多くの事業者からの申請に期待する。
  「介護基盤人材確保等助成金」は、都道府県労働局のハローワークが窓口。
1年以上の介護サービス経験者、介護福祉士などの資格保有者を指す「特定労働者」の雇用1人あたり6ヶ月で70万円が助成。3人までを限度とする。
 ただ山田係長が「助成金を受けるために事業を始めるのは、割に合わないだろう」と話すように、事業者にとってそれほど”多額”ではないことは注意が必要だ。
 また「助成金によっては、受給するために必要な書類記入など、申請作業の手間がかかるものもある」との話もある。
 そのため助成金受給を考えている事業者は、どの助成金が最も効果があるかで選択することが重要になるとともに、そうした事務負担などのバランスも考慮が必要になってくる。
 政府の経済対策や自治体の労働政策で、国や自治体、それぞれが独自に助成金制度を相次ぎ設置する。
そんな中、「知って得する事業者」「知らずに得しない事業者」の両者が出現している。
いずれも自ら納める税金からの助成金であることも、忘れてはいけないのだろう。


参考リンク:知って得する 介護ビジネス 助成金制度 雇用関連からGH創設まで対象

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