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「病気」のキーワード6:レビー小体型認知症

2009年06月16日14時42分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年6月5日号)

「アルツハイマー型認知症」や「脳血管性認知症」とともに、”三大認知症”の一つとして認知されてきているのが「レビー小体型認知症」だ。認知障害に加え、パーキンソン病のような運動障害も併発するのが特徴。特に幻覚や妄想は、家族に大きな負担をかける要因となっている。
しかし、認知度が高くないことから、「誤診により対処法を誤り、悩みを深くする家族は少なくない」(レビー小体型認知症家族を支える会の宮田真由美会長)という。

発症頻度高くも「誤診」が多い

2008年に発足した、患者家族支援団体「レビー小体型認知症家族を支える会」(事務局・横浜市)。
同会の宮田真由美会長は、「認知症は全て同じ認知症として捉えられがち。しかし認知症は種類によっては全く異なる症状を見せる。残念ながら誤診も多く、特にレビー小体型認知症の場合、その対処を誤ると、家族の悩みはより一層深くなる」と話す。
 現在日本で”三大認知症”と呼ばれているのが、ドイツの精神医学者アロイス・アルツハイマー氏に由来している「アルツハイマー型認知症」。脳の血管が詰まることによって神経系に障害が起きてなる「脳血管性認知症」。
そして日本人医師・小阪憲司氏によってその病気が発見された、「レビー小体型認知症」。
欧米でも人格変化を特徴とする「アルツハイマー型認知症」に次ぎ、2番目に多い認知症を言われている。
 その発症頻度は高く、日本では高齢者の認知症の5人に1人がこの病気だ。
 にも関わらず、その病気は広く知られてこなかった。国際的に認知度が高まったのは、先に名前を出した、レビー小体型認知症研究会の代表世話人にもなっている小阪憲司氏の1976年以降の一連の研究報告がきっかけ。
そして病名が「レビー小体型認知症」(dementia with Lewybodies:DLB)名づけられたのは1995年。
そのため「レビー小体型認知症」の歴史はそう古くない。

神経細胞変化の構造、レビー小体

 
以前は「びまん性レビー小体病」と呼ばれていたように、「レビー小体」自体はだいぶ前から知られていた。
 この神経細胞の中に特殊な変化を見せた構造の小体名称の由来になっているのは、発見者のドイツ人医師名。
同氏はこの小体を、パーキンソン病の脳幹で発見した。
 「パーキンソン病」は、脳の一部の神経細胞がゆっくり変性・脱落していく原因不明の病気。「レビー小体」は1950年代にパーキンソン病の診断には欠かすことのできない物質であることが明らかにされていたのだ。
 しかし、当時は、パーキンソン病から認知症になるケースは珍しいものと考えられ、また大脳皮質に出現したものとされていた。
これが欧米では見逃されていた要因といわれている。

発症数年後には多くの寝たきりに

 
健忘症状、見当識障害、徘徊などが出現し、その後の「混乱期」とも呼ばれる段階に進むと、高度の知的障害、失語、幻覚、妄想などが出現するのが「アルツハイマー病」。この病気に次ぎ多い病気が「レビー小体型認知症」。
「アルツハイマー病」や「パーキンソン病」と誤診されるケースが多いのは、症状が似ているからだ。しかし”似て非なる病気”。
 パーキンソン病の場合は「レビー小体」が脳の下のほうにある「脳幹」に出現するのに対し、「レビー小体型認知症」の場合は、
大脳皮質全体に出現する。
 「レビー小体型認知症」の場合は、その発症初期に幻覚、特に幻視や妄想が出てくる。
患者自身にとっては”リアル”にそこにはないものが見えてくるのだ。
 そして次第に物忘れなどの認知症の症状が現れ、さらに体が硬くなる、動作が遅くなる、小またで歩くなど、パーキンソン病に似た運動障害が出てくる。
 緩やかな進行だが、進行とともに認知能力は低下。高齢者は数年もすると寝たきりになることも多い病気となっている。
 レビー小体病患者の物忘れは、神経伝達物質「アセチルコリン」の低下関与。
そのため、これを増加させる治療を行うと、物忘れが改善する。早期に正確に診断することで、治療効果が期待できる疾患とも言われている。

参考リンク:レビー小体型認知症家族を支える会 橋幸夫氏が発起人 チャリティーコンペ開催

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