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医療・介護の未来トップ対談 医療法人伯鳳会 古城資久理事長x湖山医療福祉グループ 湖山泰成代表

2009年07月15日13時05分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年7月5日号)

 湖山医療福祉グループ、湖山泰成代表との対談シリーズ。
今回は忠臣蔵の討ち入りで有名な兵庫県赤穂市で病院を中心に医療・介護事業を展開する医療法人伯鳳会の古城資久理事長。
医療経営に逆風が吹く中、着実な成長を遂げている。
近年は他のエリアでの病院買収にも積極的だ。古城氏に地方都市で実践する地域医療連携について聞いた。

湖山 古城先生は田舎の医療と呼んでいますが、地域で医療から介護まで包括的にサービスを提供しています。

古城 兵庫県赤穂市を中心に姫路市や明石市などで病院、介護施設などを展開しています。
病院4ヵ所、診療所1ヵ所、老健2ヵ所、特養1ヵ所のほか、グループホーム、小規模多機能型居宅介護、訪問看護・介護、デイサービス、高専賃など介護サービスも幅広く手掛けています。

湖山 赤穂市は隣接の市町村を含めに二次医療圏に属するということですが、医療連携はうまく機能していますか。

古城 日本の二次医療圏は300余りあり、平均的なもので人口30万人、面積1000平方キロメートルと言われています。
しかし日本は均一ではなく、同じ二次医療圏でも地域医療連携が可能な地域と不可能な地域が存在します。
赤穂を含めた西播磨医療圏は東西30キロ、南北80キロでざっと2400平方キロメートルもあります。
人口は25万人ですが、東西のアクセスは確保できても南北は困難なのが実情です。

湖山 中山間地域や僻地における医療は常に問題となります。基幹病院も少ないようですね。

古城 200床以上の病院が北部の宍粟総合病院、南部の赤穂市民病院と当院の赤穂中央病院(265床)しかありません。
急性期医療を備える拠点病院が不足しているのが現状です。

湖山 地域医療連携を実現させるためには、グループ内でサービスを提供する仕組みを作るしかありませんね。

古城 注力したのが同一グループ内で機能分化し、各々の質を高めていくことです。
その結果、多種多様な機能を持った地域包括型医療法人の形態となりました。保健・医療・福祉の複合体です。

湖山 地方都市では医療連携の構築で同じような悩みを持った病院が数多く存在していると思っています。
複数の医療機関による地域医療連携は一筋縄ではいかないのでしょう。

古城 都会ならまだしも地方都市では地域連携が難しい局面はいろいろあります。例えば急性期と言ってもがんなどのように待てるケースもあれば、脳卒中や心筋梗塞などのように一刻の猶予を争うケースもあります。
若年や壮年者に対してと高齢者や生活弱者といった場合も対応は異なります。

湖山 一般的には急性期、回復期、慢性期、介護期など病態による連携が模索されていることと思いますが。

古城 そうした輪切りとも言える機能分化は異なる医療機関ではなかなか難しいのが現状です。
それよりも脳血管疾患や整形外科疾患のように臓器別機能分化が有効ではないかと思います。
それなら急性期から回復期、慢性期、介護期まで包括的に診ることができます。

湖山 2008年の社会保障国民会議の最終報告書で示された、医療の機能分化を進める理想を実現するためのハードルは高いと言えますね。

古城 社会保障国民会議が示した内容は医療機関の機能分化を進めると共に、急性期医療機関を中心に人的・物的資源を集中投入し、できるだけ入院期間を減らして早期の家庭復帰を実現すること。
同時に在宅医療・在宅介護を大幅に拡充させ地域での包括的なケアシステムを構築し、患者・利用者のQOLを向上させることに集約させるでしょう。
しかし先ほど申し上げたような地域性が障害になることは否めません。

湖山 医療機関同士の連携がままならない状況からすれば、昨今急増している有料老人ホーム事業者との連携が進まないのも当然かもしれませんね。
急性期から、慢性期、介護期までの移行をスムーズに進めるためには、医療機関と有料老人ホーム事業者との関係性をもっと深めていかなければいけないでしょう。
また患者の視点に立った連携ができるのかということも問題だと思いますが。

古城 紹介される患者と紹介してもらいたい患者のミスマッチや、患者の行きたい病院と紹介元の行かせたい病院のミスマッチなどが起こりえます。医療機関側の経済的理由による紹介が許されていいのかという問題になります。

湖山 病院間の競争が激しくなるとともに、今まで基幹病院と中小・個人病院の間で成り立っていらすみ分けも崩れてきていると言えますね。

古城 急性期ブランド病院のケアミックス化に戦々恐々としている声は聞きます。

湖山 しかし在院日数短縮化による必要病床の減少、余剰病床の回復期・慢性期への転換は避けては通れません。
伯鳳会のように医療から福祉まで包括的にサービスを提供する形態の優位性は。

古城 医療や介護は固定費主体の労働集約型産業の典型です。損益分岐点は高いですが、それを上回れば急激に黒字が大きくなります。反面、分岐点を下回れば赤字は急激に増大するのも特色です。
一般に長期療養施設や介護施設は稼働率で利益が決まると言いますが、急性期病床にも同じことが言えると思います。
同一法人でサービスを提供する場合、ジャストオンタイムの患者移動ができるのが強みです。

湖山 病床も介護施設も稼働率は非常にいいですね。

古城 赤穂中央病院と赤穂伯鳳会病院の2008年の稼働状況は一般病床103%、回復期・リハが96%、特殊疾患83%、医療療養98%で平均100%。一般病床の平均在院日数は平均で16.4日という結果でした。
介護施設の稼働率は老健でほぼ100%、特養で97%、グループホームで91%。2ヵ所ある小規模多機能型居宅介護でも83%~84%と好成績を収めています。(数字はいずれも平成20年4月~10月調べ)。

湖山 グループ間で入院・入所がスムーズに行っていることが高稼働率を生むひとつの要因なのでは。
グループの介護施設から病院への入院はどのくらいですか。

古城 2008年4月から7ヶ月間でグループの老健、特養、グループホーム、小規模多機能型居宅介護、通所介護、訪問看護・介護の入所者・利用者が103人、赤穂中央病院に入院しました。
毎月14、15人のペースで安定して受け入れています。入院患者のうち救急車による搬送が1割、紹介が1割ですが、紹介患者の何名かを含め9割以上が元々の患者の計算です。

湖山 逆に病院から介護施設へは何名くらい入所していますか。

古城 同じ時期で調べると赤穂中央病院から介護施設、在宅介護事業所への紹介は83名。やはり毎月10数名は安定的に受け入れている結果が出ています。

湖山 こうしたグループ間の密な連携が功を奏し増収増益を続けているようです。

古城 2008年度の総収入は医療系事業が約81億円、介護系事業が14億円、グループ全体では99億円を突破しました。
経営利益もほとんどの拠点で利益を確保し16億3000万円となりました。
今後もさらに患者、利用者のすべてのステージに対応し包括的なケアシステムをできるよう努力していきたいと考えています。

湖山 先生のところのモデルがすべてのエリアで通用するということはないのでしょうが、多くの医療法人が参考にすべきだと思います。今後も更なる活躍を期待しています。


補足:
医療法人 伯鳳会
 昭和37年2月、赤穂中央病院設立。病院のほか老人保健施設、特養、在宅介護事業、医療専門学校などを手掛ける。
古城資久(こじょうもとひさ)理事長プロフィール
 昭和33年、岡山県生まれ。昭和59年、日本大学医学学部卒業。岡山大学第二外科入局。病院経て平成年、赤穂中央病院に勤務。同14年、同病院理事長に就任。医学博士。
湖山泰成代表プロフィール
 医療法人、社会福祉法人、民間会社による病院、特養、老健、有料老人ホーム、高齢者住宅など多彩な施設を全国で展開。
3つの法人形態のメリットを融合した新たな施設づくりにも本格的に着手。



参考リンク:湖山医療福祉グループ 稲毛で介護付有老ホーム竣工
      :日本棋院棋士会 施設で囲碁教室開催 多世代の交流の場に
      :湖山医療福祉グループ 小学校跡地に施設整備 特養、老健、母子生活支援施設など

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