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無届け有料老人ホーム 運営事業者に直撃 個室化難しく届出行えず

2009年07月20日10時21分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年7月5日号)

最近、自治体や官公庁が無届け有料老人ホームに対する調査や指導に力を入れているのは本サイトでも既に報じている通り。
では、当の無届け有料老人ホーム運営事業者は、自分が無届けホームを運営していることをどうとらえているのだろうか。
そして、自治体や官公庁の指導に対しどう対応しようと考えているのだろうか。事業者に話を聞いた。

 A社は、関東地方のある市で訪問介護、訪問看護、デイサービスなどを展開する地元では最大手の介護事業者だ。
 居住系サービスは近隣自治体や他県も含め、現在8ヶ所で運営、111人が入居をしている。
 「もともとは賃貸住宅に食事サービスを付けたものとしてスタートさせました」とA社は語る。
 建物はA社が保有し、A社の関連会社に賃貸、その関連会社が高齢者に賃貸する。介護サービスなどはA社が行う。
 「介護サービスについては明文規定されているわけではありませんが、当社を使うことがルールとなっていることもあり、有料老人ホームに該当する、とされました」
 ところがA社のホームは届け出を行えない「事情」があったという。
 A社運営ホームの中には一般の戸建て住宅を転用しているものも多い。その場合、6畳の和室に2つのベッドを置くなどしているため、個室化できない、という問題があるのだ。
 「個室化については地元の自治体と協議をし、パーテーションやカーテンなどで簡単に仕切ったものでも構わない、ということで認めてもらいました。
しかし隣県で運営するものについてはその県が『完全個室にしなければ有料老人ホームとしての届け出は認めない』と言い切っており、暗礁に乗り上げてしまっています」
 とりあえずA社では、もともと完全個室になっているものから住宅型有料老人ホームとしての届け出を出すようにするという。

 さて、A社が運営するホームは、多人数部屋があることもあり、料金は月に13~15万円程度と安いのが特徴。
 そのため、地元の大型病院を退院したものの行き場所がない人がケースワーカーに相談した結果入居しているケースも多いという。
このように、地域には無届け有料老人ホームであっても、それに依存せざるをえないような事情があったことがわかる。
 さらに同社のホームは1人だけだが生活保護需給者も入居をしている。「以前は地元の自治体も『無届けの有料老人ホームには生活保護需給者は入れさせられない』と拒否の態度をとっていましたが、
今は『届け出を出す予定なのだから問題はない』という具合に態度が軟化しています」とA社では語る。
 このように生活困窮者の入居先として、自治体も無届け有料老人ホームに依存しなくてはならない点があるの否めない。
確かに、自治体が彼らに届け出を行うように指導・監督を行うのは需要であるが、そのことが入居費用の値上げにつながってしまっては、生活困窮者の行き場をなくしてしまうことにもなりかねない。
A社の地元自治体が「簡易に仕切ったものでも構わない」と判断したように「落とし所」を見つけることも必要になるのではなかろうか。


参考リンク:高優賃 国は新規助成も自治体は消極的
      :国土交通省 無届け有料老人ホーム6割が建築基準法違反
      :東京都 「無届けホーム規制」を緊急提案 「立ち入り調査等を可能に」
      :国土交通省 無届けホーム全国に506件

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