高専賃のここが問題 原状回復規定あるのは約1割 - 介護施設・介護情報なら介護の安心ガイド

高専賃のここが問題 原状回復規定あるのは約1割

2009年08月01日13時32分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年7月15日号)

 「高専賃の質の向上」を目的に2009年春誕生した高齢者専用賃貸住宅事業者協会(高専協)。
その設立メンバーの一人で、現在高専賃の賃貸借契約についての研究を行っているシルバーライフネットワーク(東京都中央区)向井幸一社長に高専賃の賃貸借契約をめぐる問題について話を聞いた。

賃貸借契約の知識が不十分

 現在の高専賃にはどのような問題がありますか。

向井 介護事業者や医療法人など不動産賃貸借契約について知識・経験の少ない人が手がけている高専賃が少なくない、ということもあり、契約内容に不備があったり入居者が著しく不利な内容の契約になっているなど、問題があるものが存在している、ということです。
例えば一般的な賃貸住宅では退去時の原状回復に関する規定をしっかり盛り込んでいます。借り主と貸し主の間に発生するトラブルの9割は原状回復に関するものであり、貸し主もそのことをよく理解しているからです。
その一方で、現在高専賃で契約書に原状回復についての規定をしっかり盛り込んでいるところは1割にも満たないのが現実です。
これでは将来、退去者が増えたときに費用負担などをめぐって問題が発生することが考えられます。

 入居時に多額の一時金が必要な高専賃もありますが、これについては何か問題はあるのでしょうか?

向井 入居一時金のようなものをとっている高専賃は一部にありますが、有料老人ホームの要介護に何らかの保全措置をとっているケースはほとんどありません。これでは、万一事業者が倒産した場合に入居者が負うリスクが大きくなりすぎてしまう、という危険性があります。
対策としては、私案ですが、高専賃が入居一時金をとれるのは「終身建物賃貸借契約を用いている」「保全措置を講じている」の2つの条件を満たしている場合に限定する必要があると思います。

高額入居金の扱いにも問題

 前払いの金の名称についても「マネジメント費」など多様で、消費者には分かりにくい面もあります。

向井 他にも「施設協力金」などといった名称も用いるケースもあります。こうした名目の支払金は「保全措置がなされていない」「その使用目的について入居者側に十分な説明・情報開示がなされていない」と言った点で問題があるのではないか、と考えています。
従ってこうした形の支払金は禁じる必要があると思います。
高齢者居住安定確保法改正を受け、国土交通省も今後の高専賃の仕組み・制度について2009年7月中にも奨励を発表する見通しですが、そこでも、こうした名目での支払い金は禁止する旨が盛り込まれるのではないか、と予想しています。

 生活支援費の名目で入居時に一括の支払いが必要になる場合はどうでしょうか。

向井 その場合は正直なところ一律に禁止するのは難しいと思います。
生活支援サービスじゃ福祉行政としての要素が出てきますので、住宅行政を担当する国土交通省が、その部分についてまで口を出すべきなのかどうか、という議論を行うことも必要になるのではないでしょうか。
いずれにせよ、今の高専賃のあり方が正しいものなのか、という議論は活発に行う必要があるでしょう。

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