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介護FCビジネス 最新事情 「市場拡大」「手堅い報酬」加盟数増

2009年08月07日15時49分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年7月25日号)

 介護施設運営会社が、デイサービスなど介護サービスのフランチャイズ(FC)事業を展開するケースが目立ってきた。
その背景にはコンビニエンス・ストアから居酒屋まで数あるFC事業の中、大きく市場が急拡大している分野になっていることがある。
その一方で「FC本部事業は儲からない」というFC文部経営者もいる。


 介護事業者が続々FC展開へ

 「2009年度には、デイサービスセンターのフランチャイズ(FC)事業を立ち上げる」
そう話すのは、埼玉で介護施設を2拠点展開する日本ニューマンサポート(埼玉県春日市)の久野義博社長だ。
 「まだ当社での展開施設数は少ないが、私がコンサルタント時代に得た介護施設開設での成功ノウハウがある。また当社のデイ事業所を高稼働にしている実績を活かしていきたい」と、新規事業に期待を込める。
 都内・台東区、足立区で在宅系介護サービスを展開する、いきいきらいふ(東京都台東区)や、神奈川の横浜や鎌倉などで有料老人ホームやデイサービスを展開するエルダーホームケア(神奈川県鎌倉市)は、2009年に入り、実際にデイサービスのFC事業を本格的に立ち上げている。
 しかしその一方で、「FC本部のビジネスは正直儲からない」と本音を明かすのが、直営・FC合わせ、全国170拠点のデイ事業所
「茶話本舗(さわほんぽ)」を展開するフジタ・エージェント(東京都墨田区)創立者の藤田英明取締役。
 「FC加盟は、経営者の資質がなくてもできる。そのため介護の質を落とさないようにするのは大変で、それは多くの事業所を展開すればするほど難しくなる」とし、「1ヵ所でもまずい事業所が出ればブランド全体に傷がつく。
そういう事態を避けるための努力は半端ではない」と、その苦労を語る。
 銭湯とデイサービスの融合を図ったFC展開でも知られる健遊館(名古屋市)でも、FC加盟店を募る一方で「FC展開は大変な部分があるし、本部としての利益は直営のほうが高い。今後はFCよりも直営での展開に力を入れていきたい」(鬼頭忠男社長)という。
 また、首都圏で通所介護最大手のヘラクレス上場会社、やまねメディカル(東京都中央区)のように、22事業所が東京都から行政処分を受け加盟店にまで”迷惑”を掛けているケースもある。

民家改修型で初期投資を抑制

 デイサービスのFCで注目を浴び、あるデイFC本部が「当社にやってくるFC加盟店希望者が、真っ先に『こことどこが違うのですか』と聞いてくる」とぼやく相手が、「茶話本舗」ブランドでデイ事業所をFC展開する急成長企業、フジタ・エージェントだ。
 同社は元・Jリーガーで、福祉業界を経て独立した異色の経営者、藤田英明取締役(前・社長)が大きくした会社。
2004年にFC事業を開始して以来、「24時間365日対応」、「定員10名の小規模型」、「泊まり機能を持たせた多機能型」、「民家改修型での初期投資抑制」などを特色に、FC加盟店を順調に伸ばしてきた。
 藤田取締役が「FCよりも直営の方が稼げる」としながらFC店舗を拡大しているのは、「まだまだつまらない事業所が多いから。当社の高齢者が通いやすい事業所、利用者が心地よい環境作りに自負があり、FC展開はそうした”新しい通所介護事業所”のインフラ整備的意味合いがある」。
 フジタ・エージェントの小柳壮輔社長も、「介護業界の変革、そして地域セーフティネットの構築を合言葉に事業拡大を図っている」と気合を込める。
 同社で小柳社長と同じく代表を務める大坪勉社長は、「本部はつらいが、その分FC加盟店が楽に運営できる仕組みを構築している」と、新規加盟店を呼びかける。
 「高齢化の進展は間違いなく、2050年まで続く。”100年に1度の大不況”と呼ばれる中でも、通所介護事業は高い収益性が見込める事業。
徹底した研修や加盟店同士のコミュニケーションを図る『オーナー会』、本部や提携コンサルタント会社からのアドバイスなど、
様々なカタチで加盟店へは支援する」(大坪社長)とし、
”5年後までに600店舗”を目標に、「茶話本舗」普及を加速させていきたい考えだ。
 フジタ・エージェントでは、潜在的なトラブル要因ともなり得る社員に対しても、一定資格を満たす社員に最短2~3年で直営店を譲渡する『のれん分け制度』を設置。
「元・社員がノウハウを流用して独立」といった問題防止策も用意している。

新しい手法で差別化図る

 フジタ・エージェント同様、「民家改修型」、「小規模型」を特色に、2009年からデイサービスのFC事業を開始しているのが、エルダー・ホームケアだ。
6月19日(金)・20日(土)に都内の産業貿易センター台東館で開催された「独立開業フェスタ2009」などのイベントなどにも出展し、
同社が展開する「喜楽家(きらくや)」ブランドの浸透を図る。
 「ようやく7月には言って契約を次々結べている段階に入った」と話すのは、同社の寒河江清社長。
2009年7月末現在、愛知県名古屋市内、大阪府枚方市内、そして神奈川県海老名市内での開設が決まっている。
最短で2009年10月1日には「喜楽家」第一号店が開設する見込みという。
 「当社は”行列のできるデイサービスセンター”を見指し、他社にない充実したプログラムを提供していく」と自信を見せる。
 同社のデイサービス事業所で導入していくプログラムは、遊びを取り入れた脳トレーニング「らくしゅう療法」や、大学教授を務め、数々の著者を持つ理学療法士による「個別機能訓練」。
 これに加え、「笑って健康づくり」を標語に、「笑い」と「健康」の関係性のエビデンスを世界で初めてとった、筑波大学発のベンチャー企業・らふえる(茨城県つくば市)が開発した「笑み筋体操」の導入や、スウェーデン・クオリティ・ケア(東京都港区)がスウェーデンから輸入する音楽療法ツール「ブンネ楽器」を使った認知症緩和・予防法などの導入なども検討中。
 「ユニークかつ実際に効果のある”賑やか”なプログラムをどんどん見つけ、適宜FC店舗への導入を図っていきたい」と、
積極的に”新しいデイサービス”を模索する。
 また「今後加盟店舗数の増加を加速させるため、できる限りオーナーの意見を尊重した運営を認めていく方針」(寒河江社長)という。
 「契約した加盟店オーナーのひとりは、事業所に菜園や足湯を作りたい、と言ってきたが、どうぞ作ってくださいとお願いした。
様々な制約で雁字搦めにし、オーナーに大幅な自由度を与えなければ、すぐに離れてしまうし、最初から乗ってこない」。
 寒河江社長は、こうした「特色あるプログラム」に加え、「自由な経営、運営」にも特色を持たせ、”新規参入”の壁を乗り越えていく考えだ。

要介護認定者過半数が見込客

 台東区介護サービス事業者連絡会の幹事副代表も務める、いきいきらいふ(東京都台東区)の左敬真社長も、「2009年からデイ事業所のFC本部を立ち上げた」と話す事業者の一人。
まだ31歳と若手社長ゆえの発想力と活力で、新規事業を軌道に乗せていく。
 同社が「都市型デイサービス」とジャンル分けしてFC加盟を提案しているのが、「民家改修型」ではなくコンビニエンス・ストアや商店街店舗などの「空きテナント物件改修型」。定員25~30人程度の規模のものを基準にし、外観・内観のコンセプトは”純和風”。
「外観が芦屋風の雰囲気を出したものになる」(左社長)。
 また独自開発したレクリエーションまたは生活リハビリとなる「自分力向上プログラム」の導入などを特色に店舗数を増やしていく。
 メインターゲットとなるのは、要介護度1から3までの高齢者。
「要介護者の50%以上は見込み客となり、非常に将来性がある」(左社長)と売り込む。
 また「施設工事費の投資を限界まで抑え、早い段階で初期投資を回収する必要がある。そのための設計プランを用意し、坪単価35万円での改修を実現できる」と、介護事業参入者のハードルを下げている。

少子高齢化で唯一急成長市場

 ここまで見てきたデイサービスのFC事業。そもそもFC事業はコンビニエンス・ストアから個別学習塾、ファーストフードや居酒屋、ラーメン店などの飲食店や家電販売店、中古本・CDショップ、探偵会社など、ないものはない、というほど様々な業態が溢れている。
「セブンーイレブン」や「養老乃瀧」、「TSUTAYA」、「マクドナルド」など、有名ブランドのほとんどがFC展開で拡大してきたと言っても過言ではないほどだ。
 そんな中、介護FC本部が、他業態を介護FC事業との違い、また成功要因として挙げているのが、「高齢者市場の拡大」あるいは「高齢化の加速」だ。
 「ほとんどの業界が少子化で市場規模が縮小する中で、唯一拡大していく」(前出の左社長)という市場だからこそ、FC本部としても事業として成り立つのだ。
 このほか「飲食業と違い、月々の契約で、毎月の売上が見込める」こと、「公的機関である国民健康保険連合組合へ請求のため、貸し倒れがない」こと、「24時間サービスではなく日中の8時間で利益水準が見込める」ことがある。
 加えて「翌月サービスは前月売上に上乗せできる」こと、「駅前、繁華街での物件は不要で、三等地での運営が可能」なこと、
「営業は紹介営業による集客で、送迎による顧客アクセスの確保ができる」などがある。
 飲食店や介護施設などのフランチャイズ開業支援会社、ディーセント・スタイル(静岡県三島市)の南部晃舗社長は、介護サービスのFCについて「飲食店と大きな違いは、モノが流れるかどうか、人が直接サービスをするかどうか。
極論を言えば、飲食店なら別の人が料理しても同じ味の料理が提供できる。
しかし介護サービスでは、別の人になれば、サービスも全く変わってしまう。それだけに介護サービスのFC事業は難しい部分がある」と説明する。
しかし「それでも”社会的貢献”や”やりがい”から、介護FCは他業種よりもおすすめしたい」と話す。
 FC企業化向け情報誌「月刊ビジネスチャンス」を発刊するビジネスチャンス(東京都中央区)の手塚康輔社長は「介護ビジネスに関心を持つ人が増えてきた。厨房を設ける飲食店よりも初期投資を抑制できることなど、加盟しやすいメリットがある」とし、
今後の成長市場に期待を込める。
 今後FC事業本部を立ち上げる介護事業者が増えていくと予想される一方で、介護事業新規参入でFC加盟を検討する事業者や個人も増加傾向にある。
「介護FCビジネス」が盛んになっていくことで、良い意味での競争がより過熱する。
参考リンク:フジタ・エージェント 介護従事者向け 「人材養成塾」開校

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