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高専賃・高優賃建設自治体の本音 関西編 大阪府大阪市 

2009年08月22日19時58分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年8月5日号)

10カ年計画で高齢者住宅供給

 「財政不足」などを理由に、高優賃の新規開設をシャットアウトする自治体が多い中で、大阪府は珍しく高優賃の建設に力を入れている。
 「平成19年度は府住宅供給公社物件の建て替えを含め、600戸の供給計画を立てました。その後も20年度は500戸、2009年度は300戸の供給を目標としました」(大阪府住宅まちづくり部居住企画課民間住宅助成グループ)
 もともと府では、平成18年から27年の10カ年計画で高齢者・障害者向けの住宅供給計画を作成している。
その中で、高齢者に関しては公営住宅への居住を促進する、としている。
しかし、公営住宅の平均倍率が10数倍と高いことから、入居できない高齢者の受け皿として、高優賃の整備を進めている。
 また高優賃の供給を推進するために、いくつかの独自ルールも設けている。
まず「高優賃を建てようとする者は大阪府内に居住もしくは事業の本拠地も構えていなくてもいい」というものだ。
つまり、借地でもいいので大阪府内に土地を確保できていれば、建設する資格が得られる。
 また、高齢者の住まいということを鑑み、単なる住宅だけの物件と介護・生活支援施設が併設されたものが認定申請の段階で競合した場合には、後者の方を優先して認定するということを明文化し、開示している。
 しかしこうした取り組みにもかかわらず、実際の高優賃の供給数は19年度520戸、20年度160戸と目標値を下回ってしまっている。
これについては「建設の申請をしたものの、後になって取り下げるケースが多い」と大阪府は語る。
 「まずは金融機関が融資を絞っている影響で、事業資金が調達できず事業を断念する、というケースがあります。
また、実際に高優賃の入居率を見てみると開業後3年で80~85%と非常に遅いため採算ベースに乗せるのが大変、ということで、
計画を白紙撤回する事業者もいます」(大阪府)
 また「大阪府ルール」とも呼ぶべき物件に関する規定も、新規供給を妨げる要因になっていると考えられる。
 それは「居室面積35平米以上。バス・トイレ・洗面所は、共用部にも受けた場合でも別に各居室内に設ける」というもの。
これについて、大阪府では「住宅ということを考えると、家具や荷物を置くスペースとして35平米は必要と考えています。実際に入居をしている人からも『25平米では狭い』という声があがっています」と語る。

公営住宅活用でシニア受け入れ

 さて、実際の実績はともかく、府では高優賃の供給を促進する考えだ。
しかし高優賃の認定は、政令指定都市と中核市は独自に行えるため、府自らが供給できる地域は府内には多くはない。
 大阪府下で人口・面積ともに最大の大阪市では、府とは逆に高優賃については完全にシャットアウトの状態だ。
 「市では以前より、高優賃という制度そのものがありません。昭和30年代に立てられた市の公社住宅の建て替えに際し、家賃上昇を防ぐために高優賃にしたものはあります。
今後、この部分が増える可能性はありますが、民間が建てたものに助成をする、ということはないでしょう」(大阪市都市整備局企画部)
 高優賃制度を設けていない理由として「他の地域において、入居者集めに苦労している物件が多いという現実がある」
「高齢者しか入れないという住宅は公共性という面で問題はないのか、という議論がある」とのこと。
もちろん、財政上の問題も大きい。
 市としては高齢者の住まいとしては公営住宅の活用を考えている。
 「公営住宅の新規供給はストップしていますが、現在その数は約9万戸あります。平均入居倍率は30倍ですが、平野区や東淀川区では1倍以下の住宅もあり、こうした物件を高齢者の住まいとして活用する方策です」(大阪市)
 このように同じ大阪市でも、府下と市では高優賃に対する姿勢は180度異なる。運営者としては開設地の吟味、手がける高齢者住宅の吟味が必要になってくるだろう。


参考リンク:高齢者居住法改正と高専賃・高優賃の今後 生活支援サービス付高優賃 推奨モデルとして普及促進
      :高専賃・高優賃建設自治体の本音 関西編 兵庫県・神戸市 高優賃シャットアウト公営住宅の整備が課題
      :高優賃 国は新規助成も自治体は消極的

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