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介護FC研究 成長市場を攻めろ!

2009年08月24日11時44分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年8月5日号)

 介護のフランチャイズ(FC)加盟店が急増している。経済環境的問題から「初期投資を低く抑えたい」という起業家や、「少子高齢化で他の市場と比べて成長性が見込める」といった事業者らが増えてきているからだ。
また他の事業との組み合わせで「相乗効果を図りやすい」ということもある。加熱する介護FCの市場、FC本部などの最新事情をお伝えする。

■主なフランチャイズ事業者


社名 ブランド名 特色
デイサービス
フジタ・エージェント 茶話本舗 泊まり機能を持たせた小規模・住宅改修型
やまねメディカル なごやか 首都圏中心に展開。機能訓練に特徴
エルダー・ホームケア  喜楽家 ユニークな認知症予防・改善法を導入
いきいきらいふ いきいきらいふ 空きテナント改修型。設計に特徴
介護予防デイサービス
介護NEXT GENKI NEXT 現在7拠点。年内に20拠点、3年で100拠点を目標
イー・ライフ・グループ  nagomi 機能訓練中心に3時間のリハビリ実施
ジャストワン ソルトスタジオ ”塩の空間”使った介護予防提供
ポシブル ポシブル PTが集まり、介護予防デイを全国展開。現在7法人が加盟
パワーリハ ジョイ・リハ オカモトグループで介護予防フィットネス。7店舗展開
訪問介護
やさしい手 やさしい手 東京都内を除く地域でFC募集
さくら介護グループ さくら 全国171事業所を展開
福祉用具
ダスキン ヘルスレント 北海道から沖縄まで全国展開
高齢者専用賃宅住宅
ゴールドトラスト ゴールドエイジ 12棟557戸をFC開設
大きな成長性魅力ある市場

 2008年7月、介護業界にFC(フランチャイズ)で初参入したベッセル(東京都豊島区)の水野博允社長は、FC参入理由を「介護事業はビジネスとして今後大きく成長性を感じる一方、介護の知識や経験がなかったから」と話す。
 同社は現在、都内の渋谷区、小金井市で、フジタ・エージョント(東京都墨田区)のデイサービスセンター「茶話本舗(さわほんぽ)」を運営。2009年10月には西東京市で、3店舗目を開設する。
 水野社長は、FC・代理店の総合ポータルサイト「FC&代理店なんでも相談所」を運営し、FCチェーン本部へのコンサルを手掛けて、自ら居酒屋など外食フランチャイズ展開してきた”FCをよく知る人”。
そんな水野社長は「これまで様々な業界を見てきたが、これからは高齢者向けの市場、特に介護事業が伸びていく。
そこに魅力がなければ参入していない」と介護FC加盟に大きな可能性を見る。
 ここで「介護FC」のブランドを見てみると、デイサービスFCの主なブランドは「茶話本舗」の他、ヘラクレス上場のやまねメディカル(東京都中央区)が展開する「なごやか」、2009年から開始したエルダーホームケア(神奈川県鎌倉市)の「喜楽家(きらくや)」、いきいきらいふ(東京都台東区)の「いきいきらいふ」などがある。

店舗数急増の介護予防デイ

2006年の介護保険法改正に絡み、2008年から増え始めている介護予防デイサービスのFC展開する企業にも注目したい。
 パナソニック電工エイジフリーショップスと事業連携しているポシブル(大阪市)の「ポシブル」や、北関東を中心に介護施設運営も行っている介護NEXT(群馬県前橋市)の「GENKI NEXT」、介護予防フィットネスを展開するパワーリハ(東京都葛飾区)の「ジョイリハ」、「1万人のシニアを元気に」をテーマに活動するイー・ライフ・グループ(東京都豊島区)の「nagomi」などがある。
これらの企業が、3時間の機能訓練を中心とした介護予防デイのFC展開を行っている。
 また塩のタイルで囲んだ温熱塩空間「ソルトスタジオ」を売り物に、リハビリ型デイFCを展開しているジャストワン(兵庫県尼崎市)の「ソルトスタジオ」もある。

飲食店よりも投資額を抑制

 さらに訪問介護では、東京都外エリアを対象に加盟店を募る、やさしい手(東京都目黒区)、福祉用具では「ヘルスレント」ブランドで展開する日本FCの先駆け企業、ダスキン(大阪府吹田市)、高齢者専用賃貸住宅ではゴールドトラスト(愛知県名古屋市)がある。
 前出の水野社長は「FCの業種・業態は様々あるが、飲食店と比べて初期投資を低く抑えられるのも大きなメリット。
飲食店の場合、厨房などで2000万円近くかかる。
たとえばデイサービスセンターならその半額以下に抑えられる」と、水野社長は介護FC加盟店が増えている背景を指摘する。
 ”初期投資”に関して言えば、ベッセルが加盟する「茶話本舗」は民家改修型。
しかも「隣の家に遊びに行く感覚を利用者に持ってもらいたいため、また事業所内での動きがそのまま”リハビリ”となるため、あえてバリアフリー化の改修工事には力を入れていない」(フジタ・エージェントの小柳壮輔社長)ということもあり、初期投資額は一般のデイサービスセンター開設よりも低い。
 「茶話本舗」の場合、初期投資費用は510万円から。「投資回収期間は平均11ヶ月」(小柳社長)という。

景気低迷時代「介護」は元気

 「確かに景気の影響もあり、”初期投資を低く抑えられる”という点は、FC加盟をしようと強いる人にとって重要ポイントとなっている」
 そう話すのは、起業家向けの月刊情報誌「ビジネスチャンス」を発行するビジネスチャンス(東京都中央区)の手塚康輔社長。
 重要となっているのは、「現在の経済環境では、FC出店における多額の初期投資金額を金融機関から借り入れすることは難しい状況にあるから」と手塚社長は指摘する。
 その一方で「近年注目を浴びているのは介護業界だが、中でも比較的参入しやすいのがデイサービス事業。この分野には多くの事業者がFC本部として参入してきたことも、元気な証」と見る。
 ここで業種別のFC事業展開における初期投資費用の目安を見てみると、
「学習塾」は500万~1000万円。
スパや美容室など「美容・健康」は1000万~2000万円。
「ラーメン」は500万~5000万円。
「飲食店」ではレストラン系は1000万~3000万円、
カフェ・ファーストフード系なら700万~5000万円、
居酒屋系なら1500万~5000万円。
「リサイクル・レンタル」は1000万~3000万円、となっている。

住宅改修型や中規模デイなど

 「茶話本舗」同様に”住宅改修型”を特色のひとつとしていくのが、2009年10月にデイサービスFC「喜楽家」第一号店をオープンさせる、エルダー・ホームケア(神奈川県鎌倉市)。
 同社では”住宅改修型”に加え、認知症改善・予防プログラムに「らくしゅう療法」を導入するなどもウリにする。
 寒河江清社長は「”行列のできるデイサービスセンター”が当社の目標。個別の機能訓練プログラム導入などで他社との差別化を図っていきたい」と息巻く。
 同じく介護事業のFC展開をスタートさせている麻婆豆腐・坦々麺店「陳麻家」を展開するフードバンクジャパン(東京都港区)も、
住宅改修型の小規模デイサービス出の出店を進める。
 その一方「当社ではコンビニエンスストアなどの空き店舗改修型、25名から30名規模定員の店舗を展開していく」と他社との違いを話すのは、いきいきらいふ(東京都台東区)の左敬真社長だ。
 いきいきらいふは2002年に設立。都区内でデイサービスセンターを3拠点で展開し、訪問介護、居宅介護支援なども手掛ける介護事業者だが、2009年の春から介護FC本部事業を開始している。
「30人定員の規模であれば、スケールメリットを生かすことができる。そのため当社のモデルでは営業利益は40%以上。
開設後、当面の集客は本部が手厚くフォローする」と、左社長は自社の実績を踏まえ、FC加盟希望者にアピールする。

訪問介護FC高専賃FCも

 訪問介護のFCも増えている。
さくら介護グループ(広島市)は現在全国171事業所にまで拡大。
同社の田本慎二社長は「まだまだ伸びていく」と、FC加盟点数増加に期待を込める。
 同社はこれまで、訪問介護事業所を中心にFC店舗を増やしてきたが、「今後は高専賃のFCにも力を入れていく」(田本慎二社長)という。”総量規制”を「チャンス」と捉え、展開していく。


参考リンク:いきいきらいふ 30人規模のデイ提案
      :フジタ・エージェント FC全国145ヶ所に展開
    

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