介護報酬立替サービス 業者選びのポイント  - 介護施設・介護情報なら介護の安心ガイド

介護報酬立替サービス 業者選びのポイント 

2009年09月21日16時59分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年8月5日号)

 拡大を続けている介護報酬立て替え、ファクタリングサービス(以下立替サービス)。
しかし、それを手がける事業者によって、サービスの内容には大きな違いがある。したがって、利用する側としては必要な資金額や使途などに応じて、利用するサービス事業者を賢く選択していく必要があるといえるだろう。

訪問介護のみ等絞り込む場合も

 立替サービス事業者を選択する際のポイントとしては、以下のようなものがあげられる。
①対象とする保険の種類
 「立替サービス」と一口に言っても「診療・介護・調剤」と3つの報酬があり、どの報酬を対象にするか、という点で、サービス事業者側に差が見られる。
 昭和リース(東京都江東区)では「介護報酬のみを対象にしています。医療機関の場合は、売り上げ全体に占める診療報酬の割合が非常に高いという特徴があります。その部分を当社が握ってしますと、結果的に医療機関経営の根幹の部分を抑える形になり、当社の動きが医療機関の経営そのものに大きく影響を与えることになります。
それは双方にとってリスクが大きすぎる、と判断したのが大きな理由です」と語る。
豊田通商子会社のケアポートジャパン(愛知県名古屋市)も「介護報酬ならば、在宅系・居住系なんでも対応しますが、診療・調剤については現在のところは扱っていません」という姿勢をとっている。
 また、消費者金融大手のプロミス(東京都千代田区)は「診療報酬も対象とするが、個人開業の歯科医についてはサービス対象外」というスタンスだ。
「歯科医は診療機器購入費などで開業時に多額の借金をしていることが多い。その上、個人経営の歯科医は新規開業数が増えているため、ライバルの増加による倒産リスクが高い」のが理由だ。
 また同社では、介護事業者でも訪問系を主要ターゲットと想定している。
「施設系の場合には、入居一時金などがあり、経営破綻など万が一の場合に入居者に返還すべき債務が多いことが懸念材料」という理由からだ。
その一方で、昭和リースでは「多額の資金ニーズに応じていく、というのが基本姿勢のため、結果的には売上高の多い事業者の比率が高い施設介護が中心となっています」という。

小口のニーズを積極的に拾う

②対象金額
 立替サービス事業者によっては、金額に制限を設けているところもある。
例えば、昭和リースでは1件5000万円を下限として事業者を対象にサービスを提供していく考えだ。
 その一方でコーセイ(東京都港区)やプレステージ・インターナショナル(東京都千代田区)などでは数百万円単位のニーズにも応じ、中小事業者を取り込むことに力を入れている。
ケアポートジャパンも「月額報酬500~600万円程度が平均ですが、500万円以下が全体の8割となっており、圧倒的に中小規模事業者の利用が多くなっています」と語る。このように事業者ごとの差は大きい。

立替サービス1本は少数派

③付帯メニュー

 立替サービスを提供する事業者の中には、このサービス1本で事業が成り立っているところはない。
ほとんどのケースで、ほかの事業も展開しており、そのメニューを立替サービスの利用者にも提供している。
したがって「プラスアルファのメニューが何なのか」という点も立替サービス事業者を選ぶ上で重要なポイントとなる。
 プロミスでは、現時点では介護事業者に対するパイプの構築が不十分であることから立替サービスを介護コンサルティング会社のエス・エイチ・イー(愛知県名古屋市)を通じて販売している。
このため、立替サービス利用者はエス・エイチ・イーが訪問介護事業者向けに提供している。
人事・事務・経営管理システム「りありてぃさぽーとしすてむ」を利用することができる。
 コーセイ(東京都港区)も「中小訪問介護事業者のサポート」を目指す企業であり、立替サービス以外にもSNS運営などの多彩なメニューを展開している。

事業者への電話一括で受ける

 プレステージ・インターナショナルでは大手損保会社の加入者のコールセンタ-事務を請け負っているといった業務ノウハウを元に、介護事業者の電話受付業務を一括で受託する事業をスタートさせる計画だ。
 「介護事業者は人事不足なこともあり、外からかかってきた電話に対して十分に対応できない、というケースが考えられます。
そのことがせっかくのビジネスチャンスを逃したり、あるいは利用者からのクレームにつながったりしていたのではないでしょうか。
そこで考えたのが、その介護事業者の代表番号あての電話はすべて当社で取り、当社から各担当者に振り分ける、
といった方式ですることです。
これですと、それぞれの用件の担当者に確実に電話が行き渡りますし、スタッフは専門外の電話の対応に時間をとられることもなくなりますので、業務効率がよくなります」(中村干城部長)
 また、イリスケアー(東京都中央区)では、立替サービスでつながりを持った介護事業者や医療機関からの要望があれば、資本提携など、もっと直接的な形で経営をサポートしていくことも可能だという。

「乗っ取り」のイメージ払拭

 このように、立替サービス事業者は、対象とする介護事業者、付帯メニューなど事業スタイルに差がある。
このため、自らにとって使い勝手のよい立替えサービス事業者をどのように選ぶか、ということが介護事業者や医療法人にとって経営効率化の上で必要になってくるだろう。
 また、立替サービスの利用は自分の財布を全てサービス事業者に預ける形となるため、事業者の質の見極めも重要なポイントとなる。昭和リースが語る。
 「今から20数年ほど前の話なのですが。医療機関を対象に診療報酬の立替サービスを提案し、最終的にはその医療機関を乗っ取ってしまう、といった行為をしていた事業者がいました。こうした経緯もあってか、立替サービスについては、少々ネガティブなイメージがつきまとってしまっています。
最近では介護報酬の立替えが注目を集めており、さまざまな事業者が新規参入をしていますが、介護事業者が安心して利用できるようなルールづくりを各社で行っていくことも必要でしょう」


参考リンク:エス・エイチ・イー 介護システムとファクタリング融合 訪問事業者向けに2009年7月より販売
      :エス・エイチ・イー 中京圏で介護コンサル 保険システム、ファクタリングサービスも
      :商社・リース・消費者金融などが展開
      :介護事業者の救世主となるか? 報酬立替え・買い取りサービス
      :ファクタリング事業の今後の行方 貸金業法の対象となり各種規制が

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