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「病気」のキーワード10:特発性両側性感音難聴

2009年09月27日00時07分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年8月5日号)

一般的にゆっくり進行し、聴覚が低下していく難病「特発性進行性感音難聴」。
遺伝的な要因が絡んでいるとも予想されているが、現時点では原因不明の病気だ。この難病は、「外耳」、「中耳」、「内耳」で構成される聴覚器官「耳」のうち、最も内側で起きている。

耳の構造  感音難聴は「内耳」の問題

 特定疾患と呼ばれる難病は130あり、それぞれ「血液系疾患」、「免疫系疾患」、「内分泌系疾患」といった疾患群が、全14ある。
このほか「代謝系疾患」、「神経・筋疾患」、「視覚系疾患」などがあるが、今回取り上げるのは、「聴覚・平衡機能系疾患」の「特発性両側性感音難聴」。
 耳は外耳、中耳、内耳と3つに分けられるが、最も内側、奥にあるのが内耳だ。
カタツムリ状の聴覚機器「蝸牛」と、内部がリンパ液で満たされた「前庭」と「三半規管」で構成される部分になる。
 感音難聴は、この「内耳」の感覚器(有毛細胞)、聴神経、脳の聴神経路が損傷を受けた場合などに起こる難病。一般的な原因として、薬害や感染症、腫瘍、頭蓋の外傷などはあり、これによって今挙げた器官や神経が傷つき、発症する。
 一方何が原因で起こったか不明の場合があり、その原因不明の感音難聴の中で左右両方で難聴が進行するのが「特発性両側性感音難聴」になる。めまいを起こすものや、遺伝性の難聴は除かれる。

外耳道などで音波収拾、大脳へ

 「特発性両側性感音難聴」を詳しく紹介する前に、「耳」という感覚器について簡単におさらいしておきたい。
人間が知覚できる音の周波数(可聴域)は20ヘルツから20キロヘルツまでであるが、この音波が耳に届き、私たちは「音」を知覚してる。これをもう少し詳しく分解すると、一般的にイメージする耳である「耳介(耳殻)」や
「外耳道」で音波を収拾。振動する鼓膜の信号を神経パレスに交換。蝸牛神経を通じ、大脳の聴覚中枢へと送っている。
 外耳、中耳は、蝸牛神経に音を使えるための構造に過ぎないといっても過言ではなく、同じく内耳の前庭・三半規管は、聴覚ではなく平衡感覚を受容するための器官となっている。

遺伝的な要因疑われている

 厚生労働省による調査によれば、「特発性両側性感音難聴」の患者は年間700名。人口100万人に対して5.6人という。
 若年発症のものには遺伝的要因の関与が考えられているが、まだはっきりわかっておらず、明らかに遺伝子異常を原因とした難聴は「遺伝性難聴」として、別扱いされる方向になってきている。
 ただ、「特発性進行性感音難聴」は「遺伝性難聴」との関連が注目されており、なんらかの遺伝子異常が関与しているのではないか、と予想されている。
 症状は、左右両耳が同時進行するとは限られないため、左右の難聴の程度は異なる場合もある。
 ただ病状が悪化すれば、最終的には全く音が聞こえなくなる全聾になることもある。
 現時点での治療法は、血管拡張剤代謝賦活剤ビタミン製剤などが用いられている。また急性進行期には、ステロイド剤も用いられている。

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