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「病気」のキーワード11:神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病)

2009年10月09日11時36分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年9月15日号)

 「神経線維腫症」は、皮膚、神経など多くの器官に異常を起こさせる遺伝性の難病。
同病気報告者のドイツ人医師に由来し、「レックリングハウゼン」とも呼ばれている。2つのタイプがあり、「Ⅰ型」はデキモノやシミなど皮膚病変が多く見られ、「Ⅱ型」は皮膚の病変よりも聴覚に異常が見られるタイプになる。

神経線維に異常「Ⅰ型」と「Ⅱ型」

 「ニューロン」と呼ばれる神経細胞から細長く延びる神経線維。
神経線維は刺激に応じて人体に流れる微弱な電位変化「活動電位」の伝導に必要なもの。
知覚神経の終末部分「神経終末」と、伝達された興奮の受容体「細胞体」間での物質交換の役割も担う。
 神経線維を簡単に言えば、情報伝達の要になる。
 今回取り上げる腫「神経線維腫症」は、この神経線維の異常がもたらす病気になる。この病気には「神経線維腫症Ⅰ型」「神経線維腫症Ⅱ型」の2タイプある。
神経線維腫症Ⅰ型」の主な症状は皮膚にできる。色素斑(しみ)や神経線維腫、目、骨の病変などになり、稀なケースを含めると病変部位は多くある。
 一方「神経線維腫症Ⅱ型」は両側の聴神経の腫瘍が主体のケース。
皮膚の病変が少なく、全体的にも少ない。そのため一般的に別名「レックリングハウゼン」と呼ぶときは、「Ⅰ型」を指すことが多い。

30歳代になってからの発症例も

 そもそも神経線維腫症は、皮膚や、皮膚より下の組織にできる良性腫瘍。神経性の細胞や繊維性の組織、非常に細かい血管などからできている。
”遺伝病”になるが、一般的には出産時には見られず、成長して思春期頃から少しずつ症状が見られてくる。
ただその発症時期は個人差があり、30歳代になってから発症したケースも珍しくない。
 発症時期同様、神経線維腫症の数にも、かなりの個人差が見られる。数え切れないほど腫瘍が皮膚にでる患者もいれば、わずか数個しか腫瘍ができない患者もいる。
 皮膚に浮かぶシミは褐色調で、「カフェオレ斑」と呼ばれている。
通常このシミは生後からあり、同難病患者すべてに共通する病状でもある。
 このシミに関しては神経線維腫症ではない子どももおり、実際に同病気の患者かどうかは、このカフェオレ班の個数が問題になる。
これまでの患者例からみると、大人の場合で1.5cm以上のものが、子供の場合で0.5cm以上のものが6個以上あった場合、
神経線維腫症Ⅰ型」の可能性が高いとされている。

根本的治療は未開発対処療法で苦労減

 さきほど遺伝性の病気だということに触れたが、神経線維腫症Ⅰ型の患者は遺伝病の中では患者数が多い病気といわれている。
羅患割合は人口約3000人に対して1人の割合になる。遺伝病のため人種や男女による頻度の差は特にない。
 ただ、患者の約50%は、両親のどちらかが「神経線維腫症Ⅰ型」かつ遺伝性に発病した人。
残りの50%は、遺伝子的に問題を抱えていない両親を持ち、突然変異でなった人になる。つまり両親のどちらかが神経線維腫症Ⅰ型である場合、その子供に病気が遺伝する確立は2分の1程度になる。
なぜこの病気になるのかは「17番染色体」上に存在する、たんぱく質を作る遺伝子の変異が関係していることが分かっている。
しかしながら、現時点では、患者を完全に同病気から解放する根本治療法は見つかっていない。
 ただ、ある程度患者の生活の質向上を図る対処法はいくつかある。神経線維腫が大きくなって垂れ下がったり、出血したりする場合には外科的手術をして除去するなどの対処がとられる。
同時に今後起こりうる症状に対処していくための定期的診察と経過の観察が重要になってくる。

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