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セルカ巣鴨 「認知症ケア特化」の都内ホーム倒産 床全面センサーなどの過剰投資が仇に

2009年12月02日16時25分

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(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2009年11月5日号)

 平成18年開業22室と小規模

 都内で介護付有料老人ホーム「セルカ巣鴨」を運営するグラシアス(東京都豊島区)は、10月21日東京地裁に民事再生法の適用を申請した。大手民間信用調査機関によると負債額9億5000万円。
 同社は平成17年の設立。資本金は約5億円。運営する介護付有料老人ホーム「セルカ巣鴨」は平成18年10月1日の開業で全22室という小規模ホーム。
「通常の介護付有料老人ホームでは受け入れができない重度の認知症高齢者も入居可能」という点をアピールポイントとしたが、このことが自らの首を絞める結果になってしまったのである。

 セルカ巣鴨では、認知症を患った入居者が居室外・館外に出て行くことがないように、と全ての床面にセンサーを備え、入居者がどこにいるか、を把握できるようにした。
しかし、こうした設備投資が建築費を押し上げる形になり、セルカ巣鴨は入居者居室面積15.50平米にもかかわらず入居一時金が1204万円~3813万円と非常に高額になってしまっていた(月額利用料は27万5000円)。
このことが入居率の伸び悩みにつながってしまったのである。
 ある有料老人ホームセンターは「認知症ケアに特化、といっておきながら、入居率の伸びないことから認知症を患っていない要介護者を入れていたようです。
するとますます床のセンサーが『過剰投資』になり、入居者からすれば割高感が強まる、という悪循環になってしまいます」と語る。

敷地面積は250平米以下

 また、セルカ巣鴨は、245平米という狭い敷地面積に10階建てという非常に縦に細長い形状をしていた。
このため、ワンフロアに居室をわずかしか設けることができず、スタッフが頻繁に上下移動をしなくてはならない、など運営効率の面でも問題があったといわれている。
 さらに、土地・建物については自己単独所有となっていた。このことも会社の経営にとって大きな負担になっていたと考えられる。
 有料老人ホームコンサルタントが語る。
 「JR・地下鉄巣鴨駅から10分強という立地の良さ、ペンシルビルしか建設できないような土地形状を考えると、マンションならともかく、有料老人ホームを建設するような立地ではなかったと思います。完全にオペレーションを誤ったと思います」

 セルカ巣鴨については、以前より経営難により、売却先を探している、といった様な噂がこのコンサルタントの元にももたらされていたという。
 「しかし、やはり縦に細すぎる建物の形状がネックになり、引き受け先は見つかりませんでした。今回倒産したことにより、正式に引き受け先を探していくことになるのでしょうが、あの建物の形状では運営に名乗りを上げるオペレーターはいないと思います」と、このコンサルタントは語る。

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