厚生労働省 処遇改善加算創設 提案 第82回介護給付費分科会

(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2011年10月25日号)

 厚生労働省は、今年度末で措置が終了する介護職員処遇改善交付金(以下交付金)について、来年度以降は処遇改善加算(仮称)を創設することを提案した。これは10月17日に行われた第82回社会保障審議会介護給付費分科会において出された案で、介護職員の処遇改善の考え方について委員の間で大きく意見が分かれた。

算定要件等は現行制度を踏襲

 厚労省が示した案は、現行制度同様に介護報酬単価×加算率×単価(地域差)の計算式で加算額を算定する方式。
算定要件とキャリアパス要件の考え方は、現行制度を踏襲した形だ。
新たに追加されたのは、処遇改善加算(仮称)のうち、本給で支給する割合を一定割合以上とることと、新規で採用した介護職員の経験年数や実務能力を加味することを給与規定に明記する、の2点。
 この案に対して委員からは、「加算の形をとれば、利用者負担が増えることになる。職員の処遇改善のために利用者が負担をするのおかしい。(介護保険内ではなく、一般財源で)交付金の形で継続すべき」(認知症の人と家族の会、田部井参考人)との声があった一方で、「平成23年介護事業経営実態調査の結果から、各サービスの収支差率は優位に高めであるにも関わらず、利用料に上積みをすることに国民からの理解を得られにくい。介護報酬に組み込んで、介護職員の処遇改善に繋がることをしっかり担保すべき」(健康保険組合連合会理事、高智委員)との意見も出た。

加算ではなく報酬単位で調整

 また、日本介護福祉士会は、会員に対して行った介護職員処遇改善交付金の効果に関する調査結果を報告。
同会名誉会長の田中雅子委員は、平成22年度の処遇改善の金額は、月額平均6972円で、支給額も1000~2万5000円と幅が大きいことを指摘。
「交付金制度導入後の処遇改善状況には一定効果が見られるが、必ずしも充分な処遇改善が行われたとは言えない。一時的なものではなく介護報酬の中で検討していくべき」だと述べた。
 慶応大学大学院 sex tubes. 教授の田中委員の地域ケア政策ネットワーク研究主幹の池田委員は、「加算の形を取り、労働者の賃金に政府が介入するのはおかしい。介護報酬に組み込むべき」と共通した考えを示した。
処遇改善交付金と同様の財源を確保するためには、現在の介護報酬に2%程度上乗せする必要があるが、池田委員は「介護報酬に2%分組み込んで、その後報酬額の調整を考えるべきでは」と発言した。
 発言者の多くは、処遇改善において加算や交付金で対応するのではなく、介護報酬に上乗せして対応すべきだとしている。
ただ、一部ではサービス水準が変わらず介護報酬に上乗せして利用者負担が増加することへの懸念も声も上がった。