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老年科のお医者さんの独り言

2007年12月06日11時23分

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null 老年科、って聞いたことがあるだろうか。私たちにとってはなじみの薄い科だろう。
簡単に言うと老人を総合的に診療する科である。
病院の診療科目というのは、専門によって縦割り診療が行われているわけだが、特に高齢者の場合は、認知症や物忘れ、身体全般など、複数の疾患を抱えることが多いため、臓器別に診療するのではなく、全人的に診ることが必要だとの観点から設置されたものだ。今から10年ほど前に、東大、京大病院の中にできたのを皮切りに、全国で20ほどの大学病院に設置されている。
ひとつの科でまとめて診療するという性格上、診療の対象となる病気は多い。高血圧や骨粗しょう症、パーキンソン病、老年期うつ病、認知症・・・高齢者の病気なら何でも、と言ってもよい。
老年科に非常勤で勤務するドクターは、
「老年科の任務は、お年寄りを総合的に診療することのほかに、地域との連携を取るということがあります。やはり地域のかかりつけ医は大事な存在です。
私たちは総合的に患者さんの病状を診断し、専門科の治療が必要とみなせばそちらで入院治療することになりますし、物忘れがひどかったら「物忘れ外来」を紹介します。
と言っても、まず私のところ、遠い大学病院まで受診しに来られること自体が元気な証拠ですからね。笑。
私たちのところまで来るのがしんどくなって、地元の病院に移られたり、あるいは施設に入られたりして、私が担当する患者さんは年々減ってきていますね」
事実、老年科を開設する病院も今は下火なのだという。
いろいろなお年寄りと接してきてドクターが考える「死」は、どのようなものなのか、実際に聞いてみた。
「元気な高齢者でも、自分が生きている間にこれだけはしておこうというように、死を意識して行動することが多くなってくるみたいです。
うちの母もこの前実家に行った時に「本棚の古い本、売っておこうか?」と言っていました。自分がかつて着ていた着物はすでに処分したらしく、身辺整理を進めているみたいです。
元気な高齢者にたいてい言われるのは「楽に死にたい」ということ。
「楽に(知らない間に)死んでいた」というのが理想だということは、年を取っても「死」に対する恐怖からは逃れられないということなのかなと思います。若い人よりも死が差し迫っているのは間違いないから、むしろ若い人よりも恐怖は大きいのかも知れません。
また、家族がいれば安心して死ねるのかというと、そうとも限らないわけで、自分が死んだあと争いが起こらないかと心配する人もいるわけです。逆に家族がいないと気楽かと言えば、自分が動けなくなった時には誰の世話になるんだろうとか、死ぬ時には誰に連絡してもらおうとか、やっぱり気苦労がないわけじゃないと思います。
いくつになっても死ぬのは怖いし、どうやって死ぬかは自分では決められないわけです」
誰もがいずれはたどる道。あなたはどう考えますか?

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